ちょっとした説明

元々拍手用だった小話なのですが、勿体ないのでログ設置。 ということで当分拍手復活予定なし。よろしければご覧あれ。 上にあるサイト名の下の数字とかクリックしてみると色々飛ぶかも。 画像表示されなかったりしたら、メルフォでひょこっとご指摘くださいな。確認してみますので。


01「WORLD OF TRUTH」より/シリン・クルス

「今日は随分とラフな格好なんですね、クルス殿下」
「うん。今日は特に誰と会う用事もないしね」
「それで、その薔薇はどうしたんですか?」
「シリン姫の笑顔が見たかったから」
「………はい?」
「義姉上が女の子にその子のイメージの花を贈ると喜ぶって教えてもらったんだよ」
「…それで、その薔薇が私のイメージ…なんですか?」
「シリン姫にぴったりで可愛らしい花だと思って」
「(私よりクルス殿下の方がその花に似合ってますけどね)」


02「WORLD OF TRUTH」より/シリン・カイ

「カイって視力悪かったの?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ…」
「けどその眼鏡」
「あ、えっと、なんつーか、これがないとちょっと本が読めなくてさ」
「読めない?」
「簡単な内容なら必要ないんだけどな…」
「専門書とかだと文字が細かくて眼鏡が必要とか?」
「いや、文字の大きさとかじゃなくてだな……あー、えっと…」
「カイ?」
「つ、つまりだ。これ、翻訳眼鏡…」
「あ…(なるほど、つまり難しい共通語はまだ読めないんだね)」


03「WORLD OF TRUTH」より/シリン・エルグ陛下

「やあ、シリン姫。君が好みそうな本を見つけたから持って来たよ」
「エ、エルグ陛下……」
「どうした?」
「いえ……(こんなに気軽に来ないで欲しいんだけど)」
「そういえば、私の妻が君に会いたいと言い出してね」
「…そーですか…」
「今度は妻と息子も連れてきても構わないかな?」
盛大に顔を引きつらせるシリン。
「妻も息子も王宮だと息が詰まるようで、城下町は無理でも王宮の外にたまには出してあげたいんだ。いいかな?」
「……(それって私に断る権利は発生しているんでしょうか)」


04「WORLD OF TRUTH」より/シリン・セルド

「あれ?シリン。この紅茶はいつもと違うんだね」
「今日は誕生日だから」
「あ…」
「こんな事しかできないけど、兄様に私と一緒に生まれてきてありがとうって感謝を込めて今日は特別な紅茶なの」
「感謝?」
「兄様が私と一緒に生まれて、一緒に元気に育っているから私は嬉しいし、幸せ。今日はその区切りの日で、普段の感謝をいっぱい示す日。生まれてきてくれてありがとう、兄様」
セルドは一瞬目を開いて驚いた後、すぐに満面の笑顔を浮かべる。
「シリンも…、僕と一緒に生まれてきてありがとう」
「うん」


05「WORLD OF TRUTH」より/クルス&カイ+シリン

「なんで君がここにいるの?」
「悪いかよ」
「うん、悪いね」
「…なっ!大体お前も何でここにいるんだよ。忙しいハズだろ?!」
「私はカイと違って効率よく仕事をこなすから同じ仕事量を持っていてもかかる時間が違うんだよ」
「いつもいつもムカつく言い方するんじゃねぇよ!もっと他に言いようがあるだろがっ!」
「君に気を使うなんて馬鹿馬鹿しくてね」
「オレだってお前になんか気を使いたくねぇよ!」
「珍しく同意見だね」
「嬉しくもないけどなっ!」
「…あのね、用がないなら、2人も追い出すよ?」


06「WORLD OF TRUTH」より/クルス・シリン

「えっと…何してるの?クルス殿下」
「ん、シリン姫の髪は綺麗だね」
「普通だと思うけど」
「そうかな?サラサラですごくさわり心地がいいよ」
「私はクルス殿下のふわふわの髪の方がいいなって思うよ」
「シリン姫はこんな犬の尻尾みたいな癖のある髪がいいの?」
「だってふわふわしていて可愛いし」
「ふ〜ん」
「…(そろそろ髪の毛から手を放してくれないかな?)」


07「WOT-2nd-」より/翔太・シリン

「実はさ、姉さん」
「何?」
「指輪とはまた違う法術補助の道具があってさ♪」
「…そのベルトは何?」
「俺って、ウルトラマンより仮面ライダー派なんだ!」
「まさか、それつけて変身できるとかってオチ?」
「格好良く変身って、男としての永遠の夢だろ!」
「私、女だし」
「残念ながら、俺は使う機会がなかったんだよな」
「言いたい事は分かるけど、絶対嫌」


08「WOT-2nd-」より/甲斐・クルス・シリン

「2人ともなに見てるの?」
「カイのご先祖の遺産だよ」
「甲斐の先祖…(それって翔太関係?)」
「ん、なんかDVDとかってので、丸いキラキラしたのいれるとここに動く絵が出てくるんだよ」
「その絵がまたストーリーになっていてすごく面白いんだよ、シリン姫。仮面ライダー?だっけ?」
「そうそう、それそれ。なんかシリーズになってるみたいでさ。全部入ってるらしいんだ」
「………………えっと」
「退屈な時困るだろうって、エーアイが持ってきてくれたんだ」
「それにしてもこんなものがあるなんて、カイの先祖は意外と凄い人だったんだね」
「……(すごくないすごくない)」


09「WOT-2nd-」より/甲斐・クルス・シリン

「兄様と…クオン殿下?2人揃って何やってるの?」
「ティッシとシュリの関係の歴史を調べているんだ」
「王家のみ閲覧の資料が僕の権限で閲覧可能だからな、とことんやってみようということになったんだ」
「学院の課題か何か?」
「自由課題だよ、シリン。けど、どうしてもこの絵が何を示しているのか分からなくてね」
「シュリとティッシの仲違いの一因になったらしいんだけどな、これだけは流石に代々の学者も分からないって言うしな」
ひょっこりその”絵”を覗いてみるシリン。
「…………こ、これがティッシと朱里の仲違いの一因…なの?」
「らしいぞ。これだけ精巧な絵だから宗教がらみか何かかと思うんだが」
「……(いやいや、これ、ウルトラマンだから。けど、ウルトラマンってことは、まさか仲違いの原因って…;)」


10「WOT-2nd-」より/シリン・グルド

「ねぇねぇ、グルド。触ってもいい、かな?」
「別に構わないが…」
「ありがとう!」
ドキドキしながらもふもふ毛に触れるシリン。
「(うわぁ…もふもふvふわふわでもなくもっさりでもなくもふもふv)」
「…そういう触り方やめた方がいいぞ」
「(是非、冬にはこのもふもふと一緒に日向ぼっこしながらお昼寝とかしてみたいっ!)」
「聞いてるのか?シリン」
「へ?何?」
「…いや、他の奴らにはするなよ(男の裸撫でているって自覚ないんだろうな)」
「え、何で?(他の人ももふもふなのか気になるのに)」


11「WOT-2nd-」より/エルグ・シェルファナ

「毎年恒例のあの人からの手紙か?」
「ええ、大叔父様は相変わらずのようだわ」
「いい加減しつこいな、グレイヴィア卿も。王家の人間がそう気軽に他国へ出向けるわけがないだろうが」
「だって、私がティッシに来てから一度も帰っていないだもの。大叔父様なりに心配なさっているのよ」
「あの人が誰かを心配するなど想像もつかないがな」
「そんなにひどい人じゃないわよ」
「怖い人ではあるだろ?私は、グレイヴィア卿にはどうあっても勝てないと今でも思うからな」
「貴方がが唯一勝てない人だものね」
「シリン殿ならば勝てそうだがな」
「似た者同士だからかしら?」


12「WOT-2nd-」より/シリン・翔太

「これが、昔のドゥールガな」
「うわ、かわいい…」
「だろ?だろ?頭をくしゃくしゃ撫でると、その撫で心地がすっごく…っ!」
「もふもふ?」
「そう、もふもふなんだ!!ふわっとさらっとそれでいてもふっと!」
「いいな、いいな〜小さいワンコ可愛い〜」
「あいつら里にはいるんじゃないか?」
「あ、そっか」
「もし機会があったら、さわり心地の感想を聞かせてくれ、姉さん!」
「まっかせなさい!」


13「WOT-2nd-」より/シリン・翔太

「姉さん、これ”どぅ〜るが君”って言うんだぜ」
「か、可愛いっっ!!…ってどぅーるが君?」
「戦争中断する程の大規模地震があってからは、流石に前ほどアイツに会う事もなくなってな。もふもふがなくて寂しいって呟いたら、嫁さんと桜が協力して作ってくれたんだ!」
「へぇ…って、何、この本格的なもふもふ感は?!」
「すげぇだろ?!本人の毛の成分を徹底分析して再現した人工毛なんだぜ!」
「おお!」

少し離れた所で呆れた視線を向けている桜がいたりいなかったり…。


Xmas「WOT-2nd-」より/シリン・翔太

「何やってるんだ?姉さん」
「うん、ちょっとね…」
ここは桜の本体のある研究施設内。
シリンは小さな棚の上に2つの手作りぬいぐるみを並べた。
「…って!!ちょっと、待て姉さん!」
「え?何?!」
「このどぅーるが君の隣のはなんだ?!」
「翔太」
「………」
「なんか本当は昔、このどぅーるが君を作った時に、翔太の奥さんがこっちも作ったんだって。ほら、一途ってのは桜から聞いていたから、たまには並べてあげようって」
「まてまてまてまてーー!」
「えー、こんな時くらいいいでしょ?」
「いや、だから、何で俺が隣に並ばなきゃならないんだ?!」
「翔太だから」
「理由になるかーー!とりあえず離すぞ!」
翔太がぬいぐるみに手を触れようとした瞬間、ばちっと小さな火花が散る。
ぼぅっと光るのはぬいぐるみの下に敷かれている法術陣。
「……姉さん」
「ちゃんと固定してあるから安心してね」
「安心できるかーーー!!」
800年以上もたった1人を思い続ける貴方に、ほんの小さなクリスマスプレゼント。
メリークリスマス。